Rinコラム 『下の子と上の子 男の子と女の子』

『下の子と上の子 男の子と女の子』2008年7月号

二人目以降を花まるに通わせているベテラン母さんたちから、送り迎えのちょっとした時間に、子どもたちの様子などを気軽にお話ししていただきます。

その中でもっともよく話題にのぼるテーマ第一位は、「お姉ちゃんと違って弟は」「上の子と違って下の子は」(逆もあり)。上の子でうまくいったものと同じ方法でやってみて、「なんでこの子の場合はすぐ忘れてしまうのだろう(お兄ちゃんはうまくやれたのに)」「男の子って、こんなものなのかしら?(お姉ちゃんはもっと楽だったわ)」という事態です。

「上の子と違って、自由でのびのび遊んでいるからこの子はこれでいいのよ」と思っていたら大きな落とし穴で、実際本人は家庭でのフォローが足らず、学習面で自信をなくしている場合も、毎年ある事例です。それは本当の意味での‘自由’をはき違えてしまっているのです。できるだけ幼いうちに、‘将来これをやりたいと思ったときに、自由自在に’生き抜くための土台を作ってあげるのが、我々大人の責任です。何かに対して「いやだ」と言った瞬間を、常に許容してあげていては、その子が頑張るチャンスを奪い、より引きこもり、逃げる方向に向かわせているだけです。

兄弟姉妹といっても、全く別の人格を持って生まれ、別の人生を歩んでいくはず…なのですから、その子その子が最も伸びるアプローチは違ってきて当然です。男の子と女の子という性差、発達に違いもあるものです。あれ困ったな、上手に距離がとれないな、親子で衝突してしまう、というような場合も、躊躇せずご相談ください。いっしょに解決法を考えていければと思います。

現在新入会の方から順に、面談を行っています。面談では、教室で見せない子どもたちの素顔や、興味あること、家庭での様子を聞け、それを 花まるでの指導に生かすことができるので、とても有意義です。それ以上に、今後面談という公式な時間でなくとも、ちょっとした相談を気負わずにしてもらえるように、という意味あいもあります。

本来子どもたちというのは、地域社会のみんなで育てる大事な宝物であるはずです。高濱も講演会でよく伝えていることですが、お母さん一人でなんとかしようとするところに、無理が出たりすることもあるのだと思います。

お母さんが笑っている家庭に、主体性のない子・勉強嫌いの子はいないもの。
花まるが将来の日本のためにできることは、お母さんが日々笑顔でいられるためのサポートだと思っています。