講演会実況中継 『どうして花まる作ったの?』

『どうして花まる作ったの?』2013年12月

Q
2年生の女の子 花まる学習会とアルゴに通っている、ありさちゃんからの質問です。
「花まるは楽しいです。どうして花まるという教室をつくったのですか?」
 

A
はーい。ありさちゃん、ありがとう。

何で作ったかっていうと、いろんな目的があるんだけれど、一言でいえば、今のお父さんやお母さんの世代、つまりオトナたちの中には、社会で、ちゃんとやっていけない人がたくさんいるんだよね。ひとつは、仕事をしてもすぐやめちゃう。色々理由を言って、あっちが悪い、と言って辞めちゃうとかね。で、「会社が悪い世の中が悪い」って、文句や愚痴を言いながら、結局自分が職場にいられなくなるっている体質の人が溢れている。そのことを、高濱先生は、30年くらい前に気づいて、学校にいけない人たちっていうのがもとだけど、職場にもいけないような人がぽつぽつ出始めていたんだ。それでたまたま、ある大学受験生たちがいる教室に行ったら、もうごっそり、メシ食えなさそうな人がいてね。まあメシ食えなさそう、っていう意味は、将来働けなさそうな、っていう意味なんだけど。(パンは食べられるけど、ご飯は食べられないって言う意味じゃないからね笑)

それで、特徴は、言われたことはやるし、まじめで優しいんだけど、こう、モテそうにない。ファイティングスピリットみたいなのはないっていうか、よっしゃ来い!っていうのがないっていうかね。腹のそこから「よっしゃあ!」っていうのを言ってみろっていうと、「いや、別にいいです、ぼくは」ってぼそぼそっと喋るみたいなね。

で、現実はどうなったかっていうとね、もう今はほんと何百万人っていう働けない大人ができてきちゃってるんですよ。花まるを立ち上げたのは、メシが食える人を育てる教育じゃないとダメだなあ、と思ったからなんだ。

つまり勉強ができて、○○大学に合格したって、結局その先、職場でいい仕事が出来ないとかね、この人がいるおかげで、楽しい仕事になったね、と思ってもらえないんだったら意味ないんじゃないかなあ。ナントカ大学を出てすごい有名な職場についたところで、たったひとりの家族をしあわせにできないんだったら、意味ないんじゃないかなあ、というのが、高濱先生の原点です。つまり、学校にいって、学んで、社会に出るっていうことは、究極、人をしあわせにするっていうことだから。人をしあわせにして、自分がようやく本当のしあわせを手に入れられるんだよ。そういうバイタリティっていうか、それはなんていうか、優しいだけではダメで、やっぱりその、ちょっとやなことにも負けないとか、厳しそうなことがあったら、やってみよっかなーと思う、とか、そういう前向きな気持ちっていうのかな。そういうのが大事で、ありさちゃん知っていると思うけれど、花まるでは「イエイ!イエイ!」って大声出すでしょ。あれだって、生きる力っていう意味でやってるんだよ。ただ適当にやっているんじゃなくて。

そういう意味で、生きる力を持って、魅力的な人を育てるっていうことを目標に、花まる学習会を作りました。

だから、サマースクールや雪国スクールで、川に飛び込んだり、お父さんやお母さんと離れて、つらいけれど初めての人と寝泊りする経験をしてもらってるし、なぞペーを解いてもらっているし、お父さんやお母さんにも勉強してもらっているんだよ。

(臨場感を伝えるために、あえて話し言葉のまま掲載しています)