『私の本棚』2014年3月
私が本棚の奥からひっぱり出してきたのは、幼稚園時代の「えほんノート」。当時私が通っていた幼稚園で実施されていたものです。園の図書室で借りた絵本の名前と借りた日、「だれに読んでいただきましたか・お家からのたより」の欄には、母親のひとことコメントが書かれています。これが実に意味のある発見の連続でした。
年中時代の夏からそれは始まっており、年長の卒園ぎりぎりまでの記録が綴られています。年長になるとよろよろした頼りない文字で「おもしろかった」と自分でコメントを書いていたりして可愛いものです。何よりも母の残した記録の欄が面白く、たったひとこと「何よこれ。どういうこと?ママどう思う」だけのときもあれば、「面白いし絶対いい本やから、ママに聞かせたいと言って借りてきました」「なんで戦争するの?」「幼稚園の本は子どもの易しい本やから、もうこれからは自分で読む」…等等、子どもならではの視点で発する自由な発言に笑えます。
「帰ってすぐ、服も着替えず大声で読んでいます」「すーが8回あるのが面白いそう」「魔法の呪文が逆さまと発見して大声をあげて笑っていました」からは、ああやはり幼児は言葉のリズム感を愉しむのだな、言葉遊びが大好きで、発声するのが楽しいものだ、と幼児の特性を感じます。