『数え上げ体験』2013年7月
ー数のイメージを作るには
小学校にあがってから、指を使わないと足し算引き算ができない子の要因は何でしょうか。それは、モノを数えるという体験が不足しているということです。10と聞けば、頭の中の四角い箱に、5つずつのセットで10のかたまりが浮かび上がり、それを自由自在に映像として加減できるかどうか。大人なら当たり前にできていることですが、この時期の子どもたちにとっては、「遊びや生活の中で」、「実際のものを使って数えた」数の原体験が豊富かどうかで、決まってくるのです。
家庭では、「お皿とお箸を、人数分準備してね」「お友だちが○人くるから、このアメをみんなで上手に分けたら。余ったらお母さんに頂戴ね」というように、意識して「数え上げ体験」を作ってあげるとよいでしょう。皆で分ける体験は、割り算や余る数を既に実体験でしていることにもなりますね。
1こ2こ、ひとつふたつという数え方以外にも、何匹、何羽、何頭と、助数詞の使い方もテキストで何度も扱っていきますが、これも、周囲の大人が意識するだけで、家庭での会話を通して、育むことのできるものですね。
1年生までに、経験による数字のセンスを十分に身につけられるかどうか。「数え上げ体験」の豊富さが、子どもたちの数のイメージを作らせる時期を決めるのです。