Rinコラム 『ひとつだけ言葉にする』

『ひとつだけ言葉にする』2014年4月

子どもたちを「ほめて伸ばしましょう」と言うのは簡単です。
 「ついつい下手な字を、こうじゃないよって言っちゃうんですけど!」「間違えたところばっかり気になっちゃって!」…血のつながった子どもに、感情を波立たせずに「ほめて」あげることは実際難しいものです(とくに女性・母親というものは、そういう生き物ですから)。「どうやって褒めればいい?」今回はこの質問にお答えします。
 花まる哲学のコツはたったひとつ。「できているものだけを、褒める」のです。これは、訓練次第で誰にでも身につけられる技です。字なら字で、ざっと見た中でいちばんうまい!という字についてだけ言及するのです。「ハライが上手」「バランスがいい」「枠いっぱいに書けている」「難しい字なのに綺麗」「さすが自分の名前の字はうまいね」などなど、字ひとつとっても褒められるポイントはあるものです。一つに絞って言語化して、それ以外は何も言わない。どうぞ試してみてください。
 認められることに敏感な彼らは、「よしじゃあ次も何か褒められるように書いてみよう」と自分の頭で、どうすればよりよくなるか考え始めます。振り返るのが苦手な幼児期には、次にこうしよう!と思える「認める言葉かけ」はとても有効です。(逆に「間違えてるからやり直して」は何かを大嫌いにさせるのにうってつけの言葉です)
 そして何よりも、おうちの方が、毎日一つでも僕/私のことを「言葉にして褒めてくれた」という記憶は、彼らの人生の土台である、自分への自信を日々育てていくはずです。
 「1年生になる前に」花まる哲学をお母さんにも学んでいただくこのミニコラムも、今回が最終回です。来年度からは、「親も学ぶ」年中年長コース限定の勉強会も実施いたします。またお目にかかりましょう。