『子どもに話しかけるときには』2015年6月
ようやくGallery okarinaBのリニューアル工事が終わり、新しいアトリエでこの原稿を書いています。今年は新しく音の森×Rin-Bunで紡ぎだす芸術イベントがスタートします。花まるっ子になる前の、さらに小さな子どもたちと、その家族のための時間を描いて企画しています。親子が寄り添って同じ時を過ごせるなんて、長い一生を考えると一瞬です。今回は、同じ時を一緒に過ごすときに、幼児とどんな風にコミュニケーションをとればより伝わるのか、についてお話しましょう。
「向き合って、目をよく見ながら、ゆっくりと話しかければよくわかります」
いえいえ、実は幼児は、これでは何を言われているのか理解することができません。向かい合って目を見つめても、小さな子どもとコミュニケーションできません。それに、ゆっくり話したら、年齢が低いほど、その内容を理解できなくなってしまうのです。
小さな子どもに話しかけるコツは、「接近していること」「同じ方向を向いていること」「早口で話しかけること」この3つです。先ほどの話し方は、実は老人に向かって話しかける方法だったのです。
私たちが教室でわざわざ子どもたちの背後に回り、褒めながらまる付けや指導をするのはそのためです。そしてこれはよく聞かれる質問ですが、大人に話すよりずっと早い速度で子どもたちに話すのは、そのほうが子どもたちにとって気持ちのいい速度だからなのです。おかげで私は、大人に向かってもどんどん早口で喋るようになってしまいましたが。
さて、子どもを後ろからそっと抱いて、耳元で、小声で、早口に話しかけてみてください。驚くほど素直に聞いてくれるはずです。その方が、理解がしやすいからです。これで、親子のコミュニケーションはばっちりですね。
次回は、心の教育、「言葉が先にある」をお話します。
レロ由実