『英語モジュールの研究授業』 2016年5月
2月18日、長野県北相木小学校の研究授業が公開され、多数参加した。学校関係者だけではなく、近隣の自治体の長、教育委員会関係者も来校した。
以前は廃校寸前、統廃合問題に毎年揺れる、小さな村立学校が学習塾と組んで何かをやっている程度の関心しかなかった。新聞、雑誌、テレビに取り上げられ、県外から評判が広がると、県内、近隣から視察、見学も増えてきた。外からの評価で、身内が動かざるを得ない状況になった。
村に学校がなくなると村の文化が廃れる、子どもがいない、寂しい村になる。廃校、統合を免れるために、赤字を覚悟で村運営の山村留学センターを設け、児童数確保に奔走する。昨年度から花まる学習会が山村留学の募集を手伝ってきた。定員に対して5倍の応募があり、「来てください」から「選考する」までになった。さらに、数年に一組来るか来ないかの親子留学(移住)が新年度、5組も来る。過疎化、少子化問題を抱える地方の、しかも山間部の小学校で児童数が増えている。教育でふるさと創生に挑戦する村、学校が注目された。
全国学力テストで、北相木小が全国平均点を上回った。この地区(長野県東部)は全国平均以下、北相木小の検査結果は突出していた。この地区の教育事務所も注目、どうしたら学力が伸びるのか、視察、相談に来ている。長野県知事の視察で関心はさらに高まった。
私たちは、学力を上げる、学力テストの点数を上げるために小学校をプロデュースしているのではない。学校側も、花まるの理念、指導法を単に学力向上のノウハウとするのではなく、学校教育全般に取り入れ「学習の土壌」と位置づけてきた。目先の学力ではなく、声がよく出る、授業中の集中力が高まる、すぐに取り組む、切り替えが早くなる、生き生きとしている、という「生きる力」を目標に、学校教育に花まるを取り入れ、本来の学校の取り組むべき姿を極めてきた。結果はついてくる。
学校の研究テーマを「北相木小学校『花まるモジュール』の実践」として、先生自らが日々の実践を研究、論文に仕上げ、公的な機関に提出、発表した。公教育の中に正々堂々と花まるを学校教育全般に取り入れますと宣言したのだ。マスコミに取りあげられる話題が先行して、一過性に終わらせることなく、しっかりと学校教育現場に根付かせるために理論的な裏付けを試みる。
学習指導要領の改定で小学校にも週2コマ(45分×2)の英語の授業が入る。しかも英語に慣れ親しむことから書くことまで踏み込んでくる。英語を花まるモジュールでできないか、先生たち自ら発想、試行錯誤を繰り返し「英語のモジュール」を作りあげ、研究発表まで開いた。資料だけでは「花まるモジュール」のハイスピードかつテンポ感のあるアクティブな活動で発散させた後に、一気に集中させるタイミングのスタイルは理解されないのでDVDにして、映像を見せることで研究会に参加した人が自分の学校でも広められるようにした。
18日の「英語モジュールの研究授業」は花まるを土壌にして、先生自らが作り上げた「花まるモジュール」の集大成だった。
西郡学習道場代表 西郡文啓