松島コラム 『鉛筆の持ち方』

『鉛筆の持ち方』 2016年6月

この4月、熊本・大分で大きな地震がありました。まずはこの地震で被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。
 避難所などで生活を余儀なくされた方は本当につらい日々を過ごされていたと思います。そういうニュースを聞くと、食べたいときに食べ、寝たいときに寝られる日常のありがたさを実感します。被災された皆様が一刻も早く復興されることをお祈りしております。

今回は鉛筆の持ち方についてです。
 最近、おかしな鉛筆の持ち方をする若者が本当に増えたと感じています。職場などで同じ印象をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
 箸と鉛筆の持ち方が似ていることはよく知られています。正しく持った箸の下の一本を抜けば、ほぼ正しい鉛筆の持ち方になるのですが、箸はちゃんと持てるのに鉛筆は正しく持てないという人が結構います。原因はいろいろあるようですが、親の目が届く食事のときと、目が届きにくい勉強のときの差があるのかもしれません。私は小学生のころ、学校の先生から鉛筆の持ち方についてうるさく言われた覚えがありますが、最近学校ではあまり指導していないようです。
 箸も鉛筆も慣れてしまえば誰でも器用に使いこなします。「使えるんだから持ち方はどうでもいいでしょう」と言われてしまえばそれまでなのですが、正式な場で箸の使い方がおかしい人を見ると、なんだか気が滅入ってしまいます。箸も鉛筆も一生使うものですから、できれば正しい型を身につけておきたいものです。
 さて、すでに言い尽くされてはいますが、正しい鉛筆の持ち方が大切である主な理由を挙げておきます。
 ・いい姿勢できれいな字が書けるようになる 
 ・手や腕、肩や首、目が疲れにくくなるので、集中力が持続する
 持ち方が悪いと鉛筆にかかる力のバランスや力の入れ方が安定しないため、字が乱れたり、腕が疲れたりします。スマホやタブレット、パソコンが普及したとはいえ、小学生時代に鉛筆を使う時間の量を考えると、小さなことですがその大切さがわかると思います。これ以外にも、右利きの子が変な持ち方で書くと、右手が文字を隠してしまい、左目でしか情報を認識できないのでミスが増えるという説もあります。
 こうしたしつけは小さいうちでないと難しいと言われますが、なおす気があればいつでもなおせるものです。最近ではそれらを矯正するグッズもありますから、気になる方は親子で試してみてはいかがでしょうか。

今回は鉛筆の持ち方の話でしたが、
 ・左手を使わないで右手だけで食べる→書いているときの姿勢、バランス
 ・肘をついて食べる、椅子の座り方の乱れ→聴いているときの姿勢、集中力
 など、ほかにもいろいろな点で食事のときの姿勢と学習姿勢は重なります。このあたりはご家庭でも口やかましく言っていい部分だと思います。