カエル 『きつい方をとれ』

『きつい方をとれ』

「面倒くさい」を、色々なところで耳にする。大人ですら言ってしまっている。実はことばって恐ろしいもので、口にすると、本当にそう思えてしまうし、行動になってしまう。「面倒くさい」が口ぐせの人は、やっぱり何をするにも腰が重い。

ぼくのところに「3年間だけ、鍛えてください!」といって入社してきた政治家志望のK君がいた。この人、どんなに大変でも、絶対にグチを言わない。
そしていつも、きつい方をとる。例えば机と椅子を運ぶなら、必ず重い方を選ぶ。二種類の仕事があったら、必ず大変な方を取る。とにかく徹底していた。
だから、本当にみんなからの人望が厚かった。人は行動しか見ないからね。

「きつい方をとる」これはとても大事。「なんかあっち、面倒くさそう」「なんでオレばっかり」「今それどころじゃないのに」…なんて思ったら負けだ。
前回の「決めてやりぬく」とつながることなんだけれど、考えている人って、やっぱり行動している。しぶしぶ・いやいやじゃなく、自分なりに意味のあるものにしようと、目の前のことに向き合えている。
それって、生き方全体の問題なんだ。よりよく生きたいと思っているか、自分の心に正直に向き合うことが大事だと分かっているか、そして、自分だけじゃなく、周りの人を笑顔にしたいと思っているか。

きつい方って、実は、本当の意味で、楽しい方でもある。
「大変そうだけど、なんか面白そう!」って感じたときには、まちがいない。とびこんでごらん。きっと新しい世界が広がっているはずだし、深い感動がある。それを続けていると、ラクな状況に身をおいていること自体がつまらなくなる。「よーし次は何しよう!」と、腕まくりをして生きていける人って、きっと幸せだと思うんだ。たとえ途中は大変であってもね。

何でもいい。一つ、自分が大事だと思うことを決めてみよう。
そして決めたことは、少しくらい大変でもやりぬいてみよう。