カエル 『本』

『本』

キミは今、子どもから大人への「変わり目」の時期にいる。
友達をどうしても理解できなかったり、「この世界に誰も自分の気持ちを分かってくれないんだ」と絶望するような出来事があるかもしれない。家族にも言えないような悩み、コンプレックスが出てくることだってあるだろう。見た目、性格、生まれ…「自分は一生、この悩みを持ち続けるんだろうか」そんな風に思いつめていることだってあるかもしれない。
まず言っておくと、悩むのは、とても健全に育っているという証拠だ。心配しなくていい。希望なんてまるでないかのように思えても大丈夫。生き物としてそういう時期なだけで、ちゃんと乗り越えていけるから。

「日記」の回でも言ったけれど、一人で考えつづけるような自問自答の時間は、苦しい。けれど、その時間こそが、キミという人間をつくる土台になる。

苦しんでいるキミに寄り添い、力をくれるのが本だ。

まるで自分の悩みを見透かしていたかのように、真実を教えてくれる言葉。
物事を考えるときの、道しるべになる言葉。
ずっとずっと、忘れずにいたい言葉。
いつでも自分をふるい立たせてくれる言葉。
そんな、決定的に大事な本との出会いが、キミにも用意されているはずだ。

自分の本を世に出すって、考えてみればわかるけど、簡単なことじゃないよね。大事な本はみんな、人生の先輩が、心をつくして読む人に伝えようと言葉をつづったものなんだ。ごまかさないで、自分に向き合ってきた言葉。だから、作者に直接会ったことがなくても、はかり知れない力をくれる。

最後に、一つアドバイス。
本を読んだら、どんなに短くてもいい。どんな本だったか、自分はどう感じたかを書きのこすようにしよう。日記に入れてもいい。
自分の正直な言葉がたまっていくよ。