『兄弟姉妹の優先順位』2015年10月
あなたにはふたりの子どもがいるとします。あなたの帰宅を待っていた子どもたちが、玄関に出迎えます。あなたの手にはふたりへのお土産があります。「ただいま」と言ってからあなたはそのお土産を、手渡します。
さて、どちらの子から先に声をかけ、まずどの子にお土産を渡しますか?
実は、きょうだいには、一生変えることのできない優先順位がはじめから決められています。それは、先に生まれた子、つまり上の子がいつでも一番です。保護者が子どもたちに接するときには、この優先順位を守ることが、実はとても大切です。下の子が生まれてから上の子がひねくれたり、赤ちゃん返りをしたりして困っている、という相談はよく聞きますが、そんなときにも、優先順位を今一度確認してみるだけで、問題は解決したりするものです。
ふたりの子どもたちが玄関にお迎えに来たら、まず上の子の頭をなでてあげる。それから下の子の頭をなでてあげる。お土産は「ハイ、まずはお兄ちゃん」。ひとつしかないものならば、必ず上の子に。そうすれば、お兄ちゃんは弟を大事にし、弟は兄を尊敬するようになります。
花まるメソッドでは、「メシ一番法」ということばで伝えています。家族が一緒に食事をするときには、最初に「お父さん」からごはんをつぐ。食事時は、ついつい一番手のかかる年下の子を、構ってしまうものですが、とにもかくにもご飯をつぐときだけは「ハイちょっとまって。まずはお父さん…次にお姉ちゃんから…」ともったいぶってやってみせてあげてください。子どもたちにとっても「大好きなお母さんが尊敬するお父さん」と、父の威厳が保たれるわけですから。
この話は、ご自身が長女/長男だった保護者の方々には、共感頂けるかもしれません。「こんなふうに言ってもらえたら、こっそり鼻の穴を膨らまして喜んでいただろうなぁ」と。そうなのです。いつだって家族のために、下の子のために我慢してあげなきゃ、と考えるところがあるのが長子という生き物。そんなに優しいのに、なぜか自分の気持ちはうまく言えず不器用だったり、そんな兄姉のことを見て育っている下の子の上手な立ち回りに、怒られ役になってしまっていたりして。話がそれました。
どんなときでも、「年上が先」という順序を守る、をぜひ意識して生活してみてくださいね。
レロ由実