Rinコラム 『逃さないタイミングー感じて考える』

『逃さないタイミングー感じて考える』2014年10月

▶「先週は講演会とっても良かったです。―略―講演会のこと、かっくんのことも書きたいのですが、彼のことをお話ししたいと思います。先週、先生にAが変わったと言われましたが、実は、ママとふたりでお話をしたのです。4月になってもう年長になりました。Aはママのことが大好きなのに、その愛情表現はいつも「グズグズ」でした。そしてママは疲れているとき、朝の忙しいとき、いつも鬼になっていたので、それではふたりともマイナス。そして話をしました。大好きを伝えたかったら「グズグズ」はやめて、ちゃんと言葉でいうか、ゆっくりギューするとか…。Aもわかってくれて、今ではママが夜遅くても、ラブレターをくれたり、ママ大好きと言ってくれたり、かわいくてかわいくてたまりません。初めて幼稚園バスに乗るとき、「今日からパンツ」と言って、一日でオムツが取れたときのように、自分で納得して、自分で決めたことなので、しっかりしています。またひとつ成長したし、自分で階段を登ったんだなあって思います。長くなりましたが、先生には伝えたかったことでした♡」(年長母の連絡帳より抜粋)

▶「前回の手作り絵本、帰宅後すぐに見せてくれ、作り方を教えてくれました。彼の作ったストーリーもあり、すごいなあと思いました。家でも作り、私も誘われて一緒に作り、夜寝るときに、お互いに読み聞かせ(!?)しました。別の日には、妹(まだ1歳2か月ですが…)にも教え、一緒にクレヨンを持たせながら共同で一冊作っていました!とても楽しい時間でした。」(年中母の連絡帳より抜粋)

▶「先生に「お母さん最近お忙しいですか??」と聞かれた後、思いをぐるぐる巡らせてみましたが、ここ最近怒りのボルテージも通常範囲内で珍しく思い当たる節がなく(笑)、むしろ今朝は朝からいい感じにベタベタしていたので、何だろう?お友達にバイバイして戻ってきて一言、「ねぇ~っ、スイミングもお母さんと行きたいー」あぁ~、なるほど。夕方、コンサートに私一人行き、その後ママ飲み会に参加する予定なので、どうやらそれが気に入らないようです。夫に15時までに帰宅するようお願いしてあって、「今日はお父さんにスイミング見てもらえるよ」とスペシャル感を演出してみましたが、「別に見てもらわなくていいっ」と一蹴。帰り道、イジけて坂道で駆け抜けようとしたら見事に滑って尻餅をつき、大泣き。が、これが功を奏したようで?思いっきり泣いたらスッキリしたみたいです(笑)今はニコニコ宿題を切っています。私が夜出る日は祖父母宅でやりたい放題、か、お父さんと外食、と、彼女にとっても楽しみがある日は快く送り出してくれるのですが、あの日は朝から私が夕食の準備をしていたのを見ていたので「お楽しみなし」に気付いていたようで(笑)あぁ、ザワザワした気持ちを表せて(滲み出て(笑))、それを感じ取って親の私に伝えてくださる方がいて、親子とも恵まれてるね、そして、(転んでだけど)大泣きして思いを昇華出来て良かったね、と思いました」(年長母のメールより抜粋)

ここだ、というときのタイミングを逃さないことって、大事だと思うのです。それは、母親のカンと同じように尊重されるべき、第六感のようなもの。「勘所をつかむこと」がどんなふうに大切なのでしょうか。「あれ?今日はどうしたのかな」「何かが違う」その“感じ”を、そのままにしないで、考えてみるのです。
「子どもたちに対して“思いを馳せる”」ということばで、花まるグループの新人研修では伝えています。同じことです。今まさに目の前にいる子どもが、「なぜそうした」のか、について、「駄目」や「やめなさい」と一蹴するのではなく、まず「感じて」、そして「考える」。そこを通ってのみ、本質的な指導が見えてきます。
「なぜ嫌だと感じるのか」「何に憤りを覚えたのか」「私は、ではどうしたいのか」…それらを言葉にして人は思考を深め、自分自身を知り、相手を理解しようとします。
 「感じて考える」。そのことができるだけで、人生は彩り豊かなものになるはずです。その一瞬を閉じこめて、残しておくことができるのもことばの素敵な力ですが、困難やもめごと、人生の岐路に立った時、その人を乗り越えさせ、成長させるのは、詰めて考えて言葉にしていく思考の力=言語化の力なのですから。
 今回は、お母さんたちからいつもいただくたくさんの素敵なメッセージから、一部抜粋して紹介させていただきました。「感じて、考える、言語化」の、よきテキストとして。私も、感じて、考え続けます。