『自分のことは、自分で準備』2013年11月
「だってお母さんが」
一年生になっても、忘れ物の理由を聞くと悪気なくそう言い放つ子によく出会います。「あれ?花まるは自分のために来ているのに、お母さんのせいにするのはおかしいなあ。自分で確かめてから来ればいいことだね」というとどの子も、ハッとした顔をします。
一年生になれば、鉛筆は削れているか、消しゴムは消えるものが入っているか、全て自分で準備をするよう促してくださいと保護者の皆様にお願いします。自分のものの管理が責任持ってできることこそが、自主性を持った学習観への第一歩だからです。机上の整理ができるかどうかが、結果的に聞く力、見る力、学力と比例していくのと同じです。
おもちゃや自分の持ち物の片付け、整理がうまくできないと相談されたとき、いつも確認することがあります。「自分だけのスペース」は確保されていますか、と。部屋でなくてもいいのです。例えば“この棚の引き出しは、私/僕だけのもの”になるだけで、驚くほど上手に片付けや管理ができるようになるはずです。そこに責任が生じるからです。
自分でできることが増えていくことは、子どもたちにとっては嬉しいことです。自立への第一歩を、大人の手で奪わないように。私たち講師もいつも気にかけています。物を大切に扱うことができる子は、人も大切にすることができる子になるでしょう。