Rinコラム 『落ち着きがない生きもの』

『落ち着きがない生きもの』2013年6月

ー幼児期とは
 花まるの教室では「静かに」「じっとしなさい」という言葉を子ども達に使いません。幼児は、大人とは全く違う生き物です。例えていうなら、カエルとオタマジャクシくらいの差です。5歳の我が子に向かって「もう、何回言ったらわかるのよ!」と怒ったり、「うちの子、本当に落ち着きがなくって」という相談はよくありますが、それは「なんでお母さんみたいに、陸に上がってピョンピョン飛べないの!?」とオタマジャクシに言っているのと同じことで、本当に意味がない話なのです。
 子どもとは、「やかましい」「落ち着きがない」「計画性がない」「反省しない」生きもの。そういうものなのだ、とまずは捉えることで、余計なイライラは防げるはず。彼らは過去の経験がないので、未来は見通せません。つまり、反省はしませんし、計画も立てません。「感情的にならずに」「何度も根気良く」言ってあげるつもりでいればいいのです。
 因みに、なぜ子ども達はちょこまか動いて、我慢ができない(ように見える)のでしょう。実は、それには心臓の大きさが関係しています。幼児の心臓は、体の大きさに比べて小さく、拍動だけでは脳まで血流を十分に送ることができません。それを補うため、手足を動かすことでポンプの役割を果たして、懸命に脳に酸素を送り出そうとしているのです。幼児に「静かに黙って」などと言うと、彼らは眠たくて仕方がなくなるものなのです。「身体が動いていることで、頭が働く」生き物である彼らは、「行動と思考が同時」で、「走りながら考える人」とも言えます。