カエル 『合わないと言わない』

『合わないと言わない』2012年7月

―勉強は楽なことばかりではない。厳しいこともあるのです。

今、君には、苦手な科目はあるだろうか。嫌いな科目は、あるだろうか。頭の中にいくつか浮かんだ人もいるかもしれないね。 

「キライ」「苦手」は甘えている
よく見かけるのは、たとえば「今日は図形問題をやるよ」と聞いた時に、「えー?図形ってキライ」とか、「立体って苦手なんだよね」なんて言ってしまう人だ。
キライ、と言ったところで何もしなかったら、どうなるだろう。「図形問題は、小学生のころから苦手だったんだよなあ」と、大人になっても言い続けるのかい。
ぼくは、小学校で習う内容は、すべて理解できるはずだと思っている。厳しく聞こえるかもしれないけれど、小学校で習う勉強に対して「キライ」「苦手」で片づけてしまうのは、ただ甘えているだけということではないだろうか。

「合わない」と言わない
これを読んでいる君は、あと十年くらい経ったら、社会へ出ていくことになるね。
そこから先は、荒波の世界だ。荒波というのは、思い通りに行かないことや、「何で、こんなことを言われなきゃならないんだ」という風に理不尽なことがたくさんある、厳しい世界だということ。
もしかしたら今、君には「友達と合わない」「あの先生とは合わない」…こんなふうに感じていることがあるかもしれない。そういうことは、誰にでもあるよ。たくさん悩めばいいと思う。けれど、大人になって社会に出たら、「合わない」が当たり前。そこから、「それでもなんとか合わせよう」と工夫した人が、幸せに生きられるんだ。

「合わない」と言わない。これは勉強でも同じです。
「図形なんてキライ」「立体は苦手」ではなく、「じゃあ、どこが分からなかったのかな」「どう考えれば、次は解けるかな」と自分の意識(今の状態)を変えていこう。少しがんばってみれば、「実は、苦手だと思い込んでいただけだったんだ!」と気づくことが、たくさんあるはずだ。

大切なのは、目の前の一問に、真剣に取り組むこと。