『体験授業、説明会を終えて』 2024年1月
2月から新学期が始まる。多くの子どもたちに学習道場で学んでほしい。この思いで昨年10月から子どもの体験授業と保護者への説明会を開催してきた。
幼さから“脱皮”しはじめ、自分を顧みることができるようになる4年生から本格的な学習をはじめる。この方針で学習道場は4年生から教室を開いている。4年生で学習に対する意識を変え、基礎基本、学習の仕方を学び、5年生から中学受験をする受験科と公立中学に進学する本科に分かれて学習する。
4年生(現3年生)の体験は算数と国語の授業に導入、休憩を入れて90分間行う。授業はオンラインなので、オリジナル教材「Dトレ」(「覚える」「数える」「写す」「見つける」「想像する」をトレーニングする教材)を使って、アプリ(学習状況をリアルタイムで把握する)の操作を練習して慣れる。
国語の授業は、発声練習、『五十音』〈通称「あめんぼの歌」〉(北原白秋)の音読で声を出し、子どもたちの緊張を解く。漢字の学習では、部首の問題をクイズ形式で出題して学び方に興味を持ってもらう。言葉の学習では言葉、たとえば「切ない」を使って子どもたちは短文を作る。アプリを使えば、子どもたちが書いている文を私たちはリアルタイムで見ることができ、添削することもできる。「アイスクリームを落として、切ない」と書いた文や、ほかの子どもたちが書いた文を画面に映して発表する。読解では『蜘蛛の糸』(芥川龍之介)の一場面、蜘蛛の糸が切れて犍陀多が地獄へ落ちる場面を音読したあと、子どもたちはこのシーンを絵に描く。物語の読解は、まずイメージすること。場面を自分なりに想像して描く。子どもたちの描いた独創的でおもしろい絵を、分割した画面に映して鑑賞する。
算数は、四則計算のタイム測定でスピードを意識させて、子どもたちの集中力を高め、脳を活性化させる。計算の素早さは算数の基本。日々の道場版「サボテン」(計算教材)で鍛錬して計算力を伸ばす。筆算をする、式を書く、線分図を描く、作図する、とにかく手を動かして書くこと。「手で考える」を算数のテーマにしている。2つの角度が等しい二等辺三角形や、直径・半径がどこも同じ長さになる円を作図する。作図したときにできる線が補助線になり、この補助線を使えば応用問題(中学受験の入試問題)も解けることを子どもたちは体験する。文章題では「加える」「等しく分ける」という言葉に対して、どの四則計算を使うかを考える「ロジック探偵」(オリジナル思考力問題)を使って、問題を解けた喜びを実感する。
保護者への説明会にかわり、私が学習道場の理念、方針を話す。花まる学習会、スクールFCで子どもたちに指導してきて、何かを教える、学ぶより、子ども自身が自分事として自分の学習に向き合うこと、学習の“道”を極めていくこと、これらを学ぶ場として学習道場をつくった。あなたはどうする、どう考える、どう思う、主体性を問う。体の成長とともに自分を客観視できるようになり、自分の学習を振り返る意識が芽生えてくる。
学習は試行錯誤すること。失敗を繰りかえして学び、その経験を自分の学習の仕方としてためていく。漢字テストでどうしたら満点が取れるかを自分で考え、その方法を見いだすことが自分の学習法の一つになる。漢字の学習と同様にさまざまな学習を経験して、試行錯誤を繰り返し、自分の学習法を作っていく。
ピアノ、書道、水泳など、習い事は正しい方法で練習を続ければ、だれでも上達する。その技術は、生涯、体で覚えている。学習も同じ。正しい心構えをもって、正しいフォームで学び続ければ、「伸びない子はいない」。正しい学習の心構えが、自分の学習の方向を導くベクトルになる。オンラインでは、朝道場を毎日開くことができる。継続は、持って生まれた才能を凌駕する。
道場スタッフが、改めて学習道場の理念や指導法、授業、教材、毎朝実施している朝道場、月に一度、実施している「道場特訓」(落語、歴史、実験など)、オンラインでの活動のメリットなどを説明する。子どもたちが書いた文、絵、式、図形を映して、体験授業で子どもたちが生き生きと楽しく活動していた様子を保護者に伝える。
一時の貴重な出会いで、学習道場の学びの魅力を子どもたちと保護者に伝え、納得してもらえるように体験授業、説明会を準備してきた。学習道場での学びを、生涯学び続ける出発点にしてほしい。正しい学習観と学習法をもって学べば、学ぶことは、やっぱり、おもしろく、楽しい。初心を刻む、小学生の大切な時期を学習道場で学んでほしい。この思いで、体験授業、説明会を開催してきた。
西郡学習道場代表 西郡文啓