松島コラム 『子育てシンポジウム』

『子育てシンポジウム』 2018年7月

 スクールFC主催による「子育てシンポジウム」が6月16日、17日に開催されました。おかげさまで両日とも盛況のうちに無事終了することができました。お忙しい中、ご来場くださいました保護者の皆様に改めてお礼を申し上げます。また会場のスペースの関係で、私の講演会に抽選でご参加いただけなかった方には、たいへん申し訳なく感じております。時期をおきまして、改めて開催したいと考えておりますので、その際にはぜひともご来場くださいますよう、お願いいたします。
これまでも説明会や講演会でお伝えしてきました通り、「幸せな受験」をするために大切なことの一つは、わが子に合った学校選びです。ただ言うは易く行うは難しで、「どこの学校を見に行けばいいのかわからない」「なかなか忙しくて学校説明会に行けない」「何校も行く時間がない」「受験はまだ先なので説明会に行くにも敷居が高い」などの悩みや不安をお持ちの方も少なくありません。その意味でも、こうした学校が一堂に会する機会をご用意し、学校選びの参考にしていただきたいと考え、今回の「子育てシンポジウム」を開催いたしました。
 30年前、最初に勤めた学習塾が主催する個別相談会で、保護者の方の誘導係を担当したことがあります。非常に積極的な方は、開場と同時にダッシュでお目当ての学校に行き、短時間で効率よくいくつもの学校を回っている方もいました。混雑しそうな学校は早めに回って、二番目はこの学校・・・という計画を立てて参加されていたようです。スタッフとして初めて参加したときは、「まるでバーゲン会場みたいだ」とその熱気に圧倒されたという記憶があります。一方では、相談ブースに行くことをためらっている方もいました。私はそういう方に声をかけて、ブースにお連れするのが役割でした。「何を聞いたらいいのかわからないので…」という方や、「まだその学校を受験するとは決めていないから、うかがったら失礼では…」という方もいました。たしかに初めて参加される方にとっては、勝手がわからず、戸惑いもあるかもしれません。ご希望に合いそうな学校を選んでブースまでお連れすれば、その後は話が弾むのですが、なかなかその一歩が踏みだせないのです。シンポジウム当日も、会場入り口で入りづらそうにしている方に声をかけ、まずはパンフレットコーナーまでお連れして、少しずつご希望を伺いながら、それに合った学校を紹介させていただきました。少しでも参考になったことがあればうれしい限りです。
 さて、私学では学校改革がどんどん進んでいます。現段階では定員割れしているような学校が、経営母体や校長が変わることで、第二、第三の広尾学園や三田国際学園のように、劇的に変わる可能性もあります。また、今後5年以内に、インターナショナルスクール、国際バカロレア、国際教育、ボーディングスクールをキーワードとした中学校・高等学校が、首都圏のみならず全国で開校される予定です。こうした民間や私学の動きは、「国算理社という縦割り型のカリキュラムや、講義形式中心の授業という日本の教育システムでは、これからの激変する社会に適応できる人材を育てられない」という危機感の表れだと感じていますが、一方では、同じ趣旨で実施される予定の大学入試改革は、現場との意見の乖離から、当初の目論見通りにはなかなか進んでいないようです。
 「子育てシンポジウム」での先生方のセッションでも、「私学には建学の精神がある。地域の子どもの人数に合わせて建てられた公立の学校とはそこが大きな違いです」と力強く言われていましたが、明治維新以降、新しい時代を担う人材育成のための新たな教育を始めたのは私学でした。今の日本の教育を変えていこうとする私学の取り組み、そしてその熱意を、先生方から改めて感じました。
 今回ご参加くださった先生方は、花まるグループやスクールFCの理念に共感くださっている方も多く、一般の説明会や相談会では伝わりにくい、教育や受験に対する思いを率直にお話しくださいました。今後とも様々な場面で、わが子に合った志望校選びをサポートしてまいります。ご不明な点は、お気兼ねなくお通いの校舎までご相談ください。

スクールFC代表 松島伸浩