松島コラム 『卒業生保護者に学ぶ』

『卒業生保護者に学ぶ』 2024年6月

 今年度の進学講演会は、久しぶりに各エリアで対面形式で開催させていただきました。当日ご参加くださいましたみなさま、本当にありがとうございました。保護者のみなさまと直接お会いしてお話をうかがえる喜びは、やはり対面ならではであると、改めて感じております。
 さて、今年度の進学講演会は昨年度の「中学受験のリアル&ホンネ」というタイトルはそのままに、内容をリニューアルし、参加者に各テーマ※について話し合っていただく時間を設けるなど、大変盛り上がる会となりました。今回はその一部をご紹介したいと思います。
※各テーマはスクールFCの卒業生保護者へのアンケートをもとに構成されています。

 Q1 受験・子育てに関する失敗談
 Q2 中学受験を振り返った際に「親」としてもっとも苦しかったこと
 冒頭からちょっとネガティブな気持ちになりそうなテーマでしたので、アイスブレイクを兼ねて「最近、子どもに言ってしまって『やっぱり言わなければよかった』と思ったことはありましたか?」という質問の答えを各テーブルで出し合ってもらいました。短い時間でしたが、いくつかのテーブルで笑いが起こるなど、みなさん同じような経験をされていることに、共感の声も多かったようです。子どもに対してついつい感情的になり、言わなくてもいいことを言ってしまったという経験は、誰しもあるものです。わが子にしっかりと伝えたいときは、声を荒らげないことが基本です。感情は込めてもいいですが、穏やかに話すと、子どもは落ち着いて聞くことができます。「穏やかな雰囲気で話をする」ことは、大人同士の対話でも大切だと思っています。

 Q3 中学受験に取り組んだなかで「小さい頃からやらせておいてよかった」と感じたこと
 スクールFCは花まる学習会出身の子どもが多い塾ですから、アンケート結果は「花まる学習会」が1位になりましたが、私がおすすめしているのは「読書」です。読書は「スポーツ」に続く3位でした。「本好きになってほしい」という願いはみなさん同じだと思いますが、卒業生や保護者へのインタビューでも、「豊富な読書経験が結果的に受験に役立った」という事例が、最近特に多いように感じています。スクールFC用賀校の平沼純が主宰する「旅する読書」講座にもぜひご参加ください。

 Q4 作ってよかった「わが家のルール」
 この質問についても各テーブルでシェアしていただきました。アンケート結果の1位は「早寝早起き、規則正しい生活をする」でしたが、受験生だからこそ、規則正しい生活がとても重要であることは、多くの先輩保護者が語っています。睡眠時間を削って勉強しても効果的な学習はできないことは、みなさんも経験済みだと思います。先日の菊池洋匡氏とのセッション「忙しい小学生だからこそ! 小5までに身につけたい “効率の良い”学習の極意」でも、「何を削って何を残すのか。その優先順位のつけ方と、いかに上手に時間を使うかが、中学受験においては特に大切ですね」という結論でした。

 Q5 回答者(おもに母)と子ども本人「以外の人」に困らされたこと
 Q6 回答者(おもに母)と子ども本人「以外の人」がしてくれて助かったこと
 Q5とQ6の追加質問で、「だれに困らされたか」「だれに助けられたか」の結果は、1位・2位とも「夫/祖父母」という同じ結果でした。参加者には「なぜ真逆の質問で答えが同じだったのか」を話し合っていただきました。母や子どもの 「求めていること」「必要としていること」 をしてくれていたかどうか。その前段階で、それを確かめるためのコミュニケーションがあったかどうか。それらが重要だということです。しかし、これがなかなか難しいと感じられている現役の受験生保護者もいらっしゃいました。ご家庭の環境はそれぞれ違いますが、頼れる人・相談できる人がいることで、その時間だけでも前向きになれると思います。家庭のなかでうまく解決できないことがあれば、いつでも気兼ねなくFCの担当者までご連絡ください。

 今回は掲載できませんでしたが、講演会のなかでは、子育てや受験について勇気づけてくれるような先輩保護者のメッセージがたくさんありました。ご参加できなかった方は、スクールFCのホームページ等で限定公開する予定ですので、ぜひご視聴ください。

スクールFC代表 松島伸浩