『壮行会で、中学受験をする子どもたちに贈る言葉』 2023年3月
中学入試日が始まる直前に、受験生を激励する壮行会をオンラインで開いた。
受験指導するスタッフが事前の準備や心構えなどを話す。準備することを列挙して一つひとつ確認する。試験当日の朝、家を出てから学校について、試験開始までのシミュレーションをする。トラブルが起きたらどうするか?具体的場面を想定して問いかけ、子どもたちにどうするかを考えてもらって、対処の方法を話す。忘れ物をしたらどうする?帰る時間はない。そのまま試験場に向かい、係の人に相談する。遅刻しそうになったら?できるだけ早く学校に連絡して、受験番号、氏名を必ず伝える。気分が悪くなったら?係の先生に申し出る。緊張した雰囲気のなかでは、体調不良になることはよくあること。自分だけで解決しようとしないで、相談する。あがってしまい、心配、不安に襲われるたら?ゆっくり深呼吸をする。使い込んだ参考書やノートを見て、今までやってきたことを思い出して「大丈夫、できる!」と自分に言い聞かせる。周囲の雰囲気、周囲の受験生の言動に惑わされることなく、試験問題に集中する。魔法の呪文は「まわりはじゃがいも!」 初めて受験する彼らが入試問題に集中できるよう、できる限り段取りはつけておく。
授業を担当した講師、自学室で質問対応をした講師、彼らにかかわってきた講師も参加して、一人ひとり励ましの言葉を述べた。
「私の受験では、想定外なことが起こってしまいました。前日、エネルギーを補充するドリンクを3本も飲んだら気分が悪くなってしまい、当日も電車が遅れて遅刻しそうになりました。試験中にお腹が痛くなってトイレに行きました。3つも想定外なことが起こってしまいました。みなさん、試験の日は何が起こるかわかりません。私のように想定外なことも起こります。でも、想定外も想定内と思ってください。そして、何が起こっても、試験に集中してください」
「自学室でみなさんの質問を受けてきました。みなさんは質問にくると、お願いします、終わるとありがとうございましたと言ってくれました。みなさんの気持ちの良い挨拶で、みなさんは自分の“徳”を積み上げています。きっと、みなさんの積み上げた“徳”はみなさんを合格に導いてくれます。味方がいます。頑張ってください。」
「日記(道場の課題)を見せてもらい、コメントを書いています。学年が上がるにつれて書く内容が良くなっています。みなさんの本音やおもしろさがよく表現されています。日記を見れば、みなさんの成長がわかります。日記を見てきた私が証人です。自信を持ってください。頑張ってください。」
イラストが入った「爆睡!」「すっきり起床!」「集中!」3枚のパワーポイントを見せながら、明快、簡潔に激励する講師もいた。
機知に富む、講師の励ましの言葉は経験に基づいているだけに説得力があり、受験に向かう子どもたちへの気遣いが感じられて温かい。子どもたちに響いた。入試は個人戦だが、多くの人たちとこれまで学んできたことを応援として、試験に挑んでほしい。
「これまで道場で学び、道場から中学受験に挑んでくれて、ありがとう。感謝の気持ちと同時に、みなさんが行きたい学校に合格させる責任があります。ぜひ、みなさんが頑張って、全力を出し切って、最後まで粘りに粘って合格を捥ぎ取ってきてください。お願いします。
ハラハラドキドキしていると思います。みなさんがここまで懸命にやってきたからハラハラドキドキするのです。生きている証です。真剣に生きていけば、ハラハラドキドキする経験をたくさんします。良いことばかりではありません。合格、不合格、成功、失敗を繰り返します。そこから多くを学び続けます。受験勉強で学んだことは、これからみなさんが学び続ける基礎・基本、学習の考え方、学習の仕方です。学習は続きます。結果を恐れず、思い切って挑戦してきてください。不安、緊張を感じたら、目の前の問題に集中します。「どんな環境でも自分次第、集中すればできる」(道場の学習の心得)は何度も唱和しました。思い出してください。集中する余り、時間配分を忘れない冷静さも必要です。冷静に集中です。最終試験日まで、終わったことは振り返りつつも後悔はしない。最後まで粘って前を向いて受験を全うしてください。」
私の言葉で壮行会を締めさせてもらった。
西郡学習道場代表 西郡文啓