Rinコラム 『創作タイム実況中継』

『創作タイム実況中継』2018年7月

 2018年度最初のAtelier for KIDsは、たくさんの新1年生の参加とともにスタートしました。
 「ARTのとびら きはん」を確認したら、早速今回の創作レシピについてみんなで考えます。大人が子どもに、一方的に技術を伝えることはしません。真剣な眼差し。頭の中でイメージしているのです。伸びる手。どの色を使うのか、自分との対話がはじまります。自分に必要な色を、妥協せず探し求めます。そしてあっという間に集中、没頭し始めます。「見て!こんな風になった!」感性の共有です。仲間たちの創作から、インスピレーションを受け、また自分の制作に戻ります。オトナが想像するような枠にはとどまらない、子どもたちの試行錯誤がさく裂します。全てが驚きと発見と、感動の繰り返し。
 今回初めて参加する子たちは、「じゆうに、やりたいように、つくってください」の意味を、「つまり~してもいいってこと?」と、何度も確かめるように、嬉しそうに聞く子がたくさんいました。そうです。「自分を表現していい」「自分のアイディアを試してもいい」って、こんなに嬉しいことなのです。それをまるごと受け入れてもらえることの誇らしさで、教室中が満ちていくのがわかります。
 作品は、「ギャラリートーク」のために、自分たちで壁面に装飾していきます。さあ、鑑賞会のスタートです。全員分の作品を、りん先生がどう感じたのかを、語っていきます。作者も発表します。真剣な目。「こんな風になっている」「ここが工夫しているね」「~みたいだと先生は思ったよ」「これ大好きだよ。」
 「作者が言いたいことがあったら、言ってもいいよ」と伝えると、「ここが、こんな風でいいと思った」と、自分が好きだと思う作品について、どう感じたのかを言語化して発表してくれます。自分の作品も、仲間の作品も、同じように「とっても尊重されるべきものだ」と子どもたちは感じているのです。その語り口調は、どの子も熱を帯びていて、時間が来るまで、どんどんと手があがり続けました。
 制作秘話(制作過程におけるこだわりやプロセス)を語る子もいれば、純粋に好きな作品を、どう好きなのか語ってくれる子もいます。自分の作品を、仲間が「好きな作品だ」と発表してもらえて嬉しい子も。真剣に語り合うギャラリートークを終え、すっきりした気持ちで、満足の撮影会!なんて豊かな日曜日の朝。このあと作品はきっとみんなの家の中を彩ったことでしょう。さあ、最後はおうちの方の登場を待って、コミュニケーションタイムです。
(2018年4月の活動のキロクから)  
 
井岡 由実(Rin)