囲碁の効能② 見えていないものを見ようとする習慣

囲碁って簡単!なはずなのに…

囲碁のルールは5つしかありません。

①交点に交互に打つ
②相手の石を囲んだら取れる
③地の多いほうが勝ち
④打つと相手に取られるようなところには打てない(着手禁止点)
⑤1子取られた後はすぐに取り返せない(コウ)

このうち、④⑤だけは理解が必要になるのですが、適切に反復すれば覚えられるものです。このほかには引き分けのルールがいくつか存在するだけ(しかもほとんど起こらない)なので、これさえ覚えれば囲碁を打てるのです。ところが、どうにも囲碁は難しく見えてしまう。なぜでしょうか?

見えているものはわかる

端的に言えば「取り組むこと自体は5つのルールしかなく簡単」なのですが、「勝つように打つ」ことに難しさがあります。

相手の大将をとればいい、という将棋やチェスとは異なり「地が広いほうが勝ち」という勝利条件。しかし何もない盤面のどこが地と言えるのかが「見えない」。今後どういうふうに地を作っていけばいいのか「先が見えない」。その先行きの見えなさに「あれ、どうやって打てばいいのかな?」と迷いが生まれ、難しさを感じるのです。

ですので、囲碁を始めたばかりの多くの方は「相手の石をとる」「相手が打ってきたところに対応する」という打ち方になります。「見えている石について考える方が簡単」だから。

普段の過ごし方も、見えるもの優先

本来子どもたちは「わかったことは人に伝えたい、自分一人の感動に収めておけない」ものです。テストのように「自分が自分のため

これは日常生活にも言えることで、例えば家事であれば、そこにあるものを片付けるのは難しくないのですが、「なぜ物が散らばってしまうのか」「どうすれば片付けやすくなるか」といったその状況の裏にある物事を考えようとするのは、簡単なことではありません。そのことに思い至り、状況を把握し、策を講じる。つまりそこに見えていない何かに気づき、見えていることから見えていない共通項などを探り、まだそこにない新たな未来を思い描く。苦もなくできる方は「見える力がある」のです。

仕事でいえば、今そこにある仕事をとにかく処理することは、大変かもしれませんが、やればいいだけとも捉えられます。でも本当に大切なのは「相手が望むものは何か」「どういう成果を上げるべきか」「この忙しい状況を打破するには何をすべきか」ということに考えを巡らせることだったりします。

五感の内、視覚から80%の情報を得ているといわれています。それだけ目に見えるもの、感じ取りやすいものに気が向きがちなのです。

見えないものを見ようとするのは大変、だから…

そして、見えていないものを見ようとする、考えようとすることに抵抗を感じる人もいるのです。時間がかかる、体力を使う、不確定なものを考えようとする不安…。実は見えないものに思いをはせるのは、エネルギーを使うことなのです。そのエネルギー消費に対して、ストレスがかかる。嫌だなと思ってしまう。

ただこれは習慣の問題であり、慣れればなんてことはなくなります。そして物事が習慣化するためには「楽しく」「同じように繰り返し」「無意識でできるようになるまでサポートを設ける」ことが最適です。

だから、花まる学習会・花まるメソッドでは「わかっちゃった体験」が重要であり、心の壁を取り除くことが第一であると考えています。 GONOUも、ルールの徹底よりも「わかった!という気持ちがたくさんあることで、考えることが好きになる」ことが最優先です。そうやって見えないものを考えるだけの意欲が育ってきたら、一緒に見えないものを見る習慣を養っていきます。


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